ぐい呑み/……とある蛙
忘れられるのなら
そんな親父との無駄話
結論が出なくたって
二人わかり合えなくたって
延々と続けて酒を呑むだろう。
呑んで歌の一つでも
歌ったところで痼(しこ)りはそのまま
歌は居酒屋の天井に張り付き
沢山の話し声にかき消され
拡散し、騒音となる。
それでも一日の痼(しこ)りが
忘れられるのなら
好きになれない艶歌でも
好きになれないAKBでも
声を涸らして歌ってやるが
っと 歌いながらも呑むだろう。
飲み続けながら飲み続けながら
毎日が更けて行く。
こうして毎日が更けて行く
相変わらず一日の痼(しこ)りを舐めながら
次 グループ"酔"
編 削 Point(17)