膜のこと/はるな
 
11歳までマンションに住んでいて、そのころそこには同年代の子どもたちがたくさんいた。とくに仲が良かった同い年の女の子が三人いて、よくうちに来たり、家に上がらせてもらったりしていた(マンションなので、行き来が気楽なのだ。子どもたちにとっても、今思えば親にとっても)。
ひとり神経質な子がいた。温めた牛乳を飲んでいたら思い出したのだ。その子は温めた牛乳を飲むときにかならず膜を取った。熱がりながらも、小さな指で、でも確実に。それからたとえば住人みんなに開放されている集会所(大きな椅子、ソファというのかがあって、格好の遊びばだった。広くて、あかるくて。)では絶対に靴を脱がなかった。カーペット敷きで、土足の
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