膜のこと/はるな
足の場所ではあったけれど、子どもたちはみんな素足で遊んでいたのに。ほかにも、犬や猫に触れなかったり。犬や猫にさわるとびょうきになることがある、と言っていた。子ども心にはそれが不思議でしょうがなかったのを覚えている。だって、人間どうし触れてもそうやすやすと病気になったりはしないのに。プリンのカラメルも食べなかった。さとうのとりすぎになる、と言って。さとうのとりすぎはせいじんびょうのげんきょうになる、と言っていた。成人病というのも、元凶というのも、意味は理解できたけれど、カラメルぬきのプリンを食べる彼女のほうが不思議だった。
とはいえ、ほかのふたり女の子と同じようにその子とも仲良くしていたし、いまも
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