捨てるのこと/はるな
う。
毎日投函される雑多なちらしや、雑誌類、空き瓶や缶、彼が買ってくるスポーツ紙の束、いつ使ったのかわからないくたびれたつけまつ毛や欠けた食器。どんどん捨てる。片方だけになった安物のピアス、ゴムの伸びた下着、もう見ないDVD、小さくなった蝋燭、役目を終えた電池。
そういうものをどんどん捨てながら、それらをいつ手に入れたのかを考えている。なぜこんなものたちが必要だったのだろう?もうわからない。でもわたしは確かにそれらを、うちではない場所からうちの中へ運び入れたのだ。必要でさえなかったかもしれないものたち。
生きているというのは、こんなにたくさんのものたちを磁石のように引っ付けながら過ごすものな
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