奪うのこと/はるな
 

ある種の恋愛をすると、わたしはかなしくなってしまう。それが順調にいっているかそうでないかとは関係なく。むしろ順調にいっているときに。途方もなく、きりもなくかなしくなってしまう。意味もなく、理由もなく。

わたしは彼らの時間をねだる。そしてわたしはわたしの時間を差し出す。彼らにわたしの時間を自由に操作させるためではなく、彼らがわたしの時間を欲するかどうかを知るために。そうしてそのあとで思想や身体を分け合う。(でもそれはむろん、時間と比べればとるにたらないものだ)。

欲されるということは、わたしにとって幸福なことだ。満ち足りた気分になる。わたしはいつでも惜しみなくあげたいと思っている。あ
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