雨のこととチョコレートのこと/はるな
 
久しぶりの雨が、何粒も何粒も、朝から夜中のいままで、つめたく道路をぬらしている。照らされるアスファルト。フィンガーチョコレートの包み紙によく似ている。静かで、しわくちゃで、でもしっかりと厚みのある。吹けば飛ぶ幸福とか。

暖かい部屋にいて、つめたい窓のそとを見るのは、好きなことのひとつだ。窓ガラスは、磨かれていても良いし、手垢で曇っていても良い。隔たるものの存在に、触れることができるということ。そして、あちら側と、こちら側が、くっきりと区別されているということ。(こちら側は暖かく、明るく、そして、窓ガラスの向こうからはすぐにつめたく、暗い)。見ることができる。感じることができる。きちんと触れて
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