【批評祭参加作品】失われた「鈴子」を求めて/香瀬
 
あり、
 「携帯電話がリン・リンと鳴った。」
 は、
 「携帯電話がリン・リンとなった。」
 であり、
 「もしもしと繰り返しているカワシモ」
 (は、
 ( (メールをしているのだろうか?
 「腱鞘炎が悪化し延期となった」
 「カワシモの送別会」
 そうだ、
 「電話の相手は、おれじゃないよ、とシシャモが、川島の肩を叩いた。」

 「近頃の世の中は、どこもかしこも木っ端微塵だな」

 つまり、
 リストラという社会的な死を、
 執行する人される人見守る人たちの固有名詞を
 くるくると変えていくことで、
 本当にリストラされたのは誰か
 ということを攪乱する
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   グループ"第4回批評祭参加作品"
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