【批評祭参加作品】失われた「鈴子」を求めて/香瀬
ちていたらアメリアをほうりだしてあたしはたぶんそれを手にとってしまうような気がした
暴力団は水曜日になると決まった時間にやってきてあたしの家の近くでどんぱちをはじめた、あたしは人生のステップアップのために役に立つ資格をとろうとしてるんだけど、どんぱちが始まると勉強どころじゃなかった。それよりもあたしが言わなきゃいけないことは試験問題がじぜんにもれてたってこと。それはずいぶんとあとになってわかったことだけど、そのせいであたしの人生が台無しになったなんて嘘みたい
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ホーキンスさんが病院でなくなってからあたしは毎日夢をみた。銃声がきこえて銃弾があたしの頭をかすめたり、銃声がき
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