海で、父の教え方は厳しかった。 毎年、最初に海に入る瞬間がもっともいやだ。ひたひたとまず足のうらが、砂の上で泡立っている水に触れる。ついで足指、足首からふくらはぎ、膝。このへんまでで、上半身にはたちまちとり肌がたつ。水に足をとられて歩きにくい。 (中略) 水か [次のページ] 前 次 グループ"第4回批評祭参加作品" 編 削 Point(1)