批評祭参加作品■現代詩の記号論1/葉leaf
ば、読者は単に詩を楽しむだけでなく、必然的にその構造や意味や機能などを分析することに導かれてゆくはずだ。人間は情緒的な楽しみだけでなく理性的な楽しみをも欲する。詩を理性的にも楽しむことによって、初めて詩に対して完全に誠実であることができるのである。詩は分析されることを求めているのだ。たとえその分析が不完全なものであっても。
1.3.詩を論ずることの意義
詩学に対するひとつの批判として詩学屍体解剖説を取り上げ、その批判の具体的内容を1.2.2で見た。そして、それに対してどのような反批判が可能かを1.2.3で見た。それらを踏まえた上で、詩を論ずることの意義を考えてみよう。
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