批評祭参加作品■現代詩の記号論1/葉leaf
術)の現示する真実というものが何であるかを明らかにしなければならない。「真実」の内実として、次の三つが考えられる。
T1.真なる命題(思想)
T2.出来事・情景・心情
T3.人が真実を発見した時に感じる感情に似た感情(真実感)を引き起こすもの
たとえば、高良留美子の「雨滴」から次の箇所を引用する。
雨のしずくは 走っている乗用車の屋根の上に ときおり完全な半球状の植物を繁殖させる。
ここでは、「半球状の植物」は何かの比喩であるととらえるのが自然である。たとえば、雨と光でできる小さな虹を「植物」と言っているのかもしれない。あるいは、深読みするならば、「植物」と
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