批評祭参加作品■気風は断絶したか?/岡部淳太郎
 
ねの中でその重みにあえぐように詩を書くよりもいっそ歴史など捨て去って書いた方が身軽であり、その方がずっといいのかもしれない。ともかく私を含む詩の書き手たちが(「詩人」という言葉を使うのは自分にとっても口幅ったいのでこういうややこなれていない言葉に置き換えておくが)、過去に書かれた多くの詩作品が導いた結果としていまこの時代にいることは確かだ。たとえば「〈六〇年代詩〉の気風」でも「〈八〇年代詩〉の気風」でも何でもいいのだが(あるいはやや皮肉めいた言い方で「〈九〇年代Jポップ〉の気風」としてもいいかもしれないが)、それは個々の書き手が意識するしないに関わらず存在したものであり、それを見くだしてあくまでも
[次のページ]
   グループ"第3回批評祭参加作品"
   Point(3)