批評祭参加作品■怠惰な物差し ??あるいは違犯と視線について/岡部淳太郎
 
体の意にそぐわない者は異端になってしまうし、逆にその個性が共同体の質と似通ったものであればその心配もないということだ。私自身も経験のあることだが、普段の近所づきあい等においては「詩を書いている変な人」という目で見られていても、同じような詩を書く人々の集りに参加すればそのようなこともない。むしろ能力によっては賞讃されることすらある。それと同じことだ。
 このように高度に複雑化した現代社会においては、誰でも違犯者のレッテルを貼られる危険性がある。それぞれの個性が社会全体から見て特殊なものであれば、その危険はいっそう増していく。だからなのであろうか。種々雑多な個性が多く集る都市部であるほど人と人の間に
[次のページ]
   グループ"第3回批評祭参加作品"
   Point(1)