批評祭参加作品■余白の海についての試論/2TO
(archipelago)なのである。
今福龍太によれば「archipelago」とは「archi」が原型・祖形といったギリシャ語の接頭語であり「pelago」が「海」ということであるらしい。「その上で辞書を引けば(中略)二つの訳語があって、『群島、列島』という訳語と『多海島』という訳語」となる。すると、「群島という概念には、ネガとポジがヒュッとひっくり返るような動きがあらかじめはらまれている。」*11ということになる。これを「テクスト」と「余白」に当てまめることもできるだろう。だが、ここでは文字通りそれを「島=言葉」と「海=余白」として考えよう。なぜならば、「海」とは「表面」として光を反
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