批評祭参加作品■狐のかわごろも/石川和広
答えますよね。理由は「かっこいい」とか。でも、いつのまにかサッカー選手でなくて、ただの工員になってたりする。この仕事が好きだという自信はなくて、なぜその仕事しているのと聞かれて、「生活があるから」と答える。でも、中也は「なぜ生活するの」まで聞いてしまう。あるいは、「なぜ生活するんだろう」と思いながら、進めない。例えが間違っているかもしれませんが。
しかし、時々、だれでも「なぜかな」って考えることもあるかもしれない。考えてなくても感じていて悩みがある。けれど、目の前のことをかろうじて、やって何かしら糊している。中也はそういう役割とか脈絡が外れている。むき出しの欠落です。それは、青年期とか何と
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