【批評祭遅刻作品】殺し、やわらかい雨の中で(山茶花オクリ讃1)/渡邉建志
 
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 ひと気のつかない静まりかえった市道に明滅するテールランプ。そういう光は目
に見えない速度を感じさせてくれたりします、車中に篭る音を残して。タ、タ、
タ、ン、……。小走りに駈けてきたハミルは、コンビニ袋を提げた手で、ミニ・ク
ーパーの窓をこつきました。
「買ってきたよ」

このリズム!!!
一つ一つの文の長さ、「て」で終わったあとに、タ、タ、タ、ンってなんって擬音が続くこと。そのあと走ってきてこついて「買ってきたよ」というまでが、なんってリズミカルに映画のように鮮やかに映像が浮かぶことでしょう、しかも驚くことに、わたしはここで区切って
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   グループ"フレージストのための音楽"
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