繰り返すものたち/生得(こもん氏の作品について2)/渡邉建志
 
こにおいて「わたし」はほとんど宇宙であり、もっというと時空なのである。無意識に気取らずに。あしたははれる、といいながら。その「わたし」のあり方に僕ははげしく嫉妬してしまう。


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初期作品の声の聞えない静止的碑文的回転的呪文であったものが、いまやだんだん声が聞えるようになったのと同時にまるでよちよち歩きのようでありながらも移動を始めているように思われる。セリフにすると よいしょよいしょ という感じである。経路は時間的空間的に遠くから冷たく見つめられていたものが、だんだん対象に付き添って観察者の視線が温かくなってきているような、あるいは対象と観察者の間になにかしらの相
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