とどかない光/小林レント讃5/渡邉建志
わたくしたちは
揺れる
燃え上がる
山を見ながら
河の流れに
足をつけて
揺れる
揺れる
揺れる
さいごの「揺れる」のくりかえしを声に出してよもう。
現実界たる山は激動のうちに死に、また再生するだろう、その隣で、しかし、少年詩人はその激動の外野にいる。外野で流れているのは河である。河は詩である。つまり、詩は山(現実の激動、生と死)ではなく河(それを遠くから静かに眺める宇宙的視線、「生きても死んでもいないその流れ」)なのである。詩の最初にこう言う
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