■批評祭参加作品■「約束」haru/たもつ
れてしまう。
詩とは心の葛藤だと思う。
その葛藤に至る経緯やシチュエーションは当然あるわけだけれど、それは物
語として「言葉」で説明すればよい。
詩は心の葛藤そのものだ。そこに理路整然とした理屈はない。
いったい誰が正確に「言葉」でその葛藤を表現できるというのか。
かろうじて、それを「悲しい」「切ない」「嬉しい」「楽しい」などの大雑
把な言葉で表現することで、他者とのコミュニケーションが可能になるくら
いだ。
作者にはこの三行を書く必然性があったのだろう。
それは、現実的な必然性かもしれないし、創作としての必然性かもしれない。
けれど、それらをまったく切り離し
もう
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