■批評祭参加作品■ WATARIDORI、または視点についてなお考える/佐々宝砂
IDORI」に変更する。それほど気に入った。何がいいって、ナレーションが最小限なのがいい。感動を無理に誘わないのがいい。迷鳥、人間に囚われた鳥、機械に巻き込まれる鳥、工業地帯で泥に脚をとられる鳥、それら群れからはぐれた鳥の運命は、ほぼ、想像できる。説明しなくていい。と思っていると、こちらの想像を裏切る映像が不意に、しかし淡々と続く。延々と鳥が飛んだり歩いたり泳いだりしているだけだといえばそれまでで、どこがいいのかわからない人もいるだろうが、私にはいい映画だ。
見終わって、ああよかったとため息をついて、ふと思った。「WATARIDORI」の視点はどこにあったのだろうか? とりたてて主人公のいな
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