■批評祭参加作品■ WATARIDORI、または視点についてなお考える/佐々宝砂
私は、子どものころからTVの自然ドキュメンタリーが好きだった。民放なら「野生の王国」、NHKなら「自然のアルバム」、「生きもの地球紀行」、「地球!ふしぎ大自然」、たった30分しかなくて不満な現在放映中の「ダーウィンが来た!」に至るまで、ずっと見続けてきた。最近一番好きな番組は、NHKの「プラネットアース」だ。11集に分けて世界各国の自然を紹介するあの番組は、NHKのこれまでの自然ドキュメンタリーとは視点が違っていて、それが私には好ましかった。イギリスBBCとの共同製作だったから、いつものNHK節ではなかったのだと思う。
自然ドキュメンタリー、とりわけ動物ドキュメンタリーにおいて、視点の問題は
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