■批評祭参加作品■ WATARIDORI、または視点についてなお考える/佐々宝砂
 
題は重要だ。子どもにもわかるだろうが、シマウマを主人公にするのと、シマウマを喰うハイエナを主人公にするのとでは、全く同じ筋立てでも全く違う物語になる。私が子どものころ(1975〜1980くらい)の日本のドキュメンタリーは、シマウマを主人公に置くのが多かった。食べられる動物を主人公にして、食べる動物を悪者にして、ストーリーを仕立てるわけだ。やがて20世紀も終わり間近になってくると、そのような単純構造の物語は流行らなくなってきた。肉食動物だって必死に生きているのだから、草食動物の立場にだけ立つのは不公平という考えによるものだったかもしれない。

とはいえ、一般的な感覚の持ち主がハイエナに感情移入す
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   グループ"第2回批評祭参加作品"
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