■批評祭参加作品■木葉揺 その個性の行方/岡部淳太郎
 

氷砕いて乳首の前でひるんだ夕べ
焦げつく匂いが屋敷の合図

ジュマペール黒のJ
歌っていたら泡吹いて倒れたわ
有袋類も豆には弱いのね
それでも生意気に予言を残して
詩都心 裏知る 今週末

茎も剥いたら栄養素
腕ギロチンは魔術の小道具
突っ込んじゃえばドロロロ
買われてゆくのね、あなたのターミナル
メロンは一人十個まで
玉突きクラブで虫を並べるよ

沈殿する恐怖を受容する人体
隣のゲーテにリボンを結んで知った
人類が滅びる時間が迫っても
あなたの壁は破れないまま
(破れないまま)

(「暴力ラフランス」より)

http://po-m.com/fo
[次のページ]
   グループ"第2回批評祭参加作品"
   Point(10)