■批評祭参加作品■木葉揺 その個性の行方/岡部淳太郎
 
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 この詩の出発点は「普通の想像力」にある。「ロゼッタ」という名前にも現われている異国的な雰囲気を持ったラヴストーリーだが、そういった異国趣味のようなものもある程度の経験があれば身につけることが出来るごく普通のものだ。だが、この詩は後半に至って転調する。引用した「シュー///ドスンッ!」という箇所がそうだ。ここは眠っている間に一瞬訪れる鋭い痛みのように鮮烈だ。「シュー」も「ドスンッ!」も平凡な表現ではあるものの、詩に描かれた世界をかき乱すだけの破壊力を持っている。この後の詩行は前半と同じような普通の言
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   グループ"第2回批評祭参加作品"
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