■批評祭参加作品■水在らあらあの「あるところ」/岡部淳太郎
 
青空を否定していたよ」は好きな行だ)。「あるところ」に具体性を持たせるために、それに肉付けをしていく過程が表われているのだろうが、ここで固有名詞を出してしまうのはまだ早いのではないか。あるいは、固有名詞をいっさい出さない方が全体のムードを壊さずに済むと思う。
 第四連から第六連まで、さらなる肉づけが行なわれる。つづく第七連。「あるところ、それは日本で、」という行が出て来る。「日本」という大きな括りではあるものの、またしても固有名詞だ。この詩が「あるところ」での物語であるなら、このように固有名詞を使うのは反則だろう。あるいは作者がこの詩を書く時に「気分的なもの」で何となく置いてしまった言葉なのかも
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   グループ"第2回批評祭参加作品"
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