詩想?4/黒乃 桜
ピアニッシモは、相変わらず不味いらしい。
由夜といわれても、俺はどうしても「お兄さん」って呼んでしまうんだけど。
その人には相変わらず死相が付きまとっているような雰囲気で
俺はばったりと会う度に、明日死ぬんじゃない、と笑った。
同じように笑って、そりゃありがたいこって、と返されるのも日常茶飯事になりかけていた。
それがいつまでも続くとは思っていなかったし、それを望んでなんかもいなかった。
ただあのフェンスの前に集合、っていうのが頭にあって、誰が言ったわけでもないのに夜になったらそこで
ピアニッシモを吸っているお兄さんに声を掛ける。
ただ、それだけ。それだけのこと。
いや、それ
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