詩想 ?7/黒乃 桜
 
落ち込んでる奴がいるとすぐに走っていって、不幸なのはあなただけじゃない、とか言う奴が居た。
ぐすぐす泣き出す奴の肩を撫でながら、ひとしきり不幸な人の話を話して
ひとしきり落ち込んでる奴を泣かせて満足そうに微笑んで、さあ歩きましょう、と言う。
うざったい、というより呆れていた。
一体何様のつもりだろうか、と。
同情が何よりも嫌いだと思っていたが、その時思った。
あれは悦だ。同情の方がマシだ、と。
だから、と言い訳をしている訳ではないし別に同情でもなんでもない。
でも強いて言うなら、嫌悪。
もしかしたらそうなのかもしれない。もしかしたら、逆かも知れない。
ともかくそんな、悦に浸る事
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