「名」馬列伝(8) ローズバド/角田寿星
出遅れなきゃ…」「前が詰まる不利がなければ…」は、追い込み馬には常套句である。
続くエリザベス女王杯は名勝負と言って過言ではないだろう。2番人気の彼女は、もはや定位置となった最後方を追走。ヤマカツスズランが1000m58秒のハイペースで引っ張り、直線に向ってからは、先行のテイエムオーシャン、中段から伸びてきたティコティコタック、レディパステル、トゥザビクトリーの4頭が横一線となって、叩き合う。
そして、残り1ハロンを切ったあたりから、大外からとんでもない勢いで、彼女が追い込んでくる。一完歩ごとに差を詰めていき、4頭をまとめて差し切ろうとする。勝ち馬に並びかけようかというところで、ゴール。5
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