「名」馬列伝(12) ビンゴカンタ/角田寿星
 

ファンに愛され、いつも上位人気を背負っていた。
そして、負け続けた。

2歳の条件戦をレコード勝ち。続くオープン平場を後方2頭めから一気の差し切り。
1200m芝を2馬身差勝ち。彼の素質の高さを証明する競馬だった。
そして、2歳11月のこのレースが、彼の最後の勝利となる。
それから3年9ヵ月の間、じつに20連敗。ついに重賞は勝てなかった。

皐月賞。1番人気だった朝日杯を6着と裏切った彼は、弥生賞もぱっとせず、10番人気。
不良馬場で泥んこになりながら、低評価を覆す差し脚をみせる。4着。
ダービー、府中の長い直線。馬群のなかから力強く抜け出した、彼の姿があった。
が、彼
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