「名」馬列伝(12) ビンゴカンタ/角田寿星
、彼の前には、大胆な捲りで先頭に立った勝ち馬がすでにいた。
大外から重戦車のように追い込んできた栗毛の巨体馬にも差される。3着。
菊花賞。本命馬の三冠がかかったこのレース、彼は3番人気だった。
いつもより前めの中段待機。本命馬が3角手前で、常識外れのスパートをかける。
大外から追いかけるも、差をわずかに縮めるのみに終わった。3馬身差。2着。
強すぎる個性を持った、強すぎる馬と、クラシック戦線を走り続けた。
それからの彼は、時には本命を背負い、時には有力馬として、負け続けた。
大敗ならまだしも、次走に期待を抱かせるような脚はきっちり見せるので、始末に悪かった。
時には先行して直線
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