「名」馬列伝(12) ビンゴカンタ/角田寿星
 
皐月賞馬だった4歳年長の叔父、ビンゴガルーを彷彿とさせる、小柄な馬体。
叔父のトレードマークでもあった、臙脂色に白のXマークの、勝負服とお揃いのカッコいいメンコ。
遠くからでも、ひと目で彼だとわかった。
パドックで首を弓なりに下げて、チャカチャカ落ち着かないのも、いつもの彼だった。
返し馬では惚れ惚れするようなキャンターで走り抜けていくのも、また彼だった。

クラシック戦線の準主役級として、古馬になってからは中距離重賞の常連として走り続けた。
2、3歳前半には、カミソリのような切れ味鋭い競馬をした。
古馬になってからは、ジリ脚と称されたが、それでも手堅く掲示板内に食い込んできた。
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