面接(4)/虹村 凌
それが何なのかわからないけれど、それが収まらない事には到底、泣きやめそうに無い気がする。
「何をそんなに、我慢してたんですか?」
「うぁぁ」
「泣いてちゃわからないじゃないですか」
「うぅ…ぐへっ」
息継ぎが上手く出来ずに、思い切り咽て、咳き込んだ。ひとしきり咳をして、深呼吸をすると、ぬるくて思い空気が、肺の中に入り込んできた。ジャケットの内ポケットに、何時から入っていたのかわからない、未開封の古いポケットティッシュで、顔中の水分をふき取って、ふと頭を上げると、彼女はじっとこっちを見ていた。
「うぅ…」
俺は何と言っていいのかわからず、子供のような唸り声しか出せなか
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