面接(6)/虹村 凌
あまり会話の無いまま、駅の改札口に着いた。大勢の人間が、無造作に出たり入ったりしている。前に誰かが、水族館みたいだな、と言っていたのを、いつも思い出す。確かに、色んな種類の人間が、ちょっとずつ違う表皮で、向こうからこちらへ、こちらから向こうへ、群れの中を擦り抜けるように進んでいる。そんな事を思い出しながら、回遊魚の群れの中を歩いていた。改札口の手前まで来た時、彼女が後ろから俺のジャケットの袖を掴んで引っ張った。回遊魚は泳ぎ続けないと死んでしまうらしいが、ここの人間と言うのは、歩き続けないと他の人にぶつかるらしい。彼女に引っ張られながら、改札前を横に逸れて、壁際まで辿り着いた。
彼女は少し下を
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