(仮題のままの数編と決定された一編)ある都へ ?/非在の虹
 
この雨降らぬ都の名は何か
私の旅はこの都で終わる
のだろうか むかし栄えたこの都で

   「僕の食料は残り少ない
   干し肉と一かけらのチーズとわずかな水
   深夜 僕はこの都に着いてそれらを食べた
   見渡せば 夜の都はまるで古代の遺跡か
   土砂の集積だ」

この雨降らぬ都の名は何か
私の前を横切る人々の
かつては生き生きしていたかもしれない
この放心はなんだろうか

   「朝になった
   日の昇りはそのまま気温の上昇で
   僕の頭上から照りつける日差しは
   僕を罰するかのようだ
   水は瞬く間に蒸発する 水を求めて人家の前で
  
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