(仮題のままの数編と決定された一編)ある都へ ?/非在の虹
 
   額づく」

昼は炉の中となり 
夜は氷室となるこの都は
私の歩みを遅らせる
多くの人の中で
私は倒れる 叫び声を上げて
幾人かが私を取り巻き
多くの人が行過ぎてゆく

   「人ごみの中で 僕は空腹に倒れた
   目に空が映る
   僕は力をふりしぼって日陰に逃れる
   助けを求めても振り返る者はいない」

   「僕の旅はこの都で終わるのだろうか
   この雨降らぬ都の名は何か」
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