超真理男兄弟[場面1−3]/国産和風モモンガ
 


 どこいってたの?
 友達ん家。

 むかで足の猫が走ってくるにしても、菊次郎が目の見えない人のふりをしていたとしても、何かを待つという謙虚な姿勢を決して忘れない限りそこはバス停であり続ける。もしバスが来なくってもだ。現代詩みたいに印字より白紙のほうが多い田舎のバス停の時刻表と腕時計をちらちら見ながらごくたまに往来を通り抜ける車のエンジン音と蝉の鳴き声を聞いているとバスで移動することよりもバスに乗ることのほうが目的みたいになって来る。バスに乗った瞬間、天国は冷房が効いてるなぁとか、思ったり。
 これが八月下旬の夜中だとまた違う。Tシャツにジーンズで上に一枚羽織って眠気を押し殺しなが
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