俳句の非ジョーシキ具体例8/佐々宝砂
物に自死をさせるべきではない。信長のような恐るべき人物は、反抗的な放蕩児、そう、角川春樹のような人物によって首を切り落とされるべきなのだ。角川春樹はそれを承知していたと思う。だから彼は信長の首を切り落とさねばならなかった。この句は、向日葵を描いたものでも、信長を描いたものでもない。角川春樹の境涯を描いたものなのである。
冒頭にあげた「蛭に血を…」の句は、角川春樹の昨年の俳句である。まあ新しい作品であろう。この句における「蛭」とは何か。歌舞伎町に巣くう女か。あるいは角川春樹の俳句を貪り読む私か。それとも知らぬうちに角川映画の恩恵をどこかで受けてきたあなたか。否定はできない。現在の日本に生きて普
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