黒頭巾ちゃんと仮面舞踏会/チアーヌ
 
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 シャンパンを一気にあけて、とりあえず気分が良くなった黒頭巾ちゃんは、深紅のドレスを軽く持ち上げ、道化師に跨がるようにしてクスクス笑いました。
 そうして、道化師にだけ聞こえるように、小さな声で言いました。
「今夜は、あなたにいろいろと協力してもらうことがあるかもしれないわ。いいかしら?」
「奥さんの言うことなら、どんなことでも。へへっ」
 黒頭巾ちゃんは、にっこり笑いながら、道化師の手のひらに金貨を押し込みました。
「よろしく頼むわ。そっとわたしについていて」
 そんな黒頭巾ちゃんの腕を掴んで、おおかみはどんどんホールの中央へと進んで行きます。
 そしてホールの真ん中に来る
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