黒頭巾ちゃんと仮面舞踏会/チアーヌ
 

 と、ボルゾイは品の良い笑顔で答えました。
「革命って、ずいぶん昔のお話ではなくて?」
 黒頭巾ちゃんが不思議に思って訊ねると、ボルゾイは寂しそうに笑い、
「僕にとってはまるで昨日のことのようなのですが」
 と、答えました。
 そうしてそのうちに、黒頭巾ちゃんは、腰に回されたボルゾイの腕で、ダンスホールの片隅へと運ばれてしまいました。
「黒頭巾さん。あなたはとても美しい人だ」
 ボルゾイが、そう言いながら、黒頭巾ちゃんを抱きしめ、キスをしてきました。
 普段の黒頭巾ちゃんなら、ボルゾイの甘い言葉なんかに騙されなかったかもしれません。
 けれど、今夜は仮面舞踏会なのです。
 甘
[次のページ]
  グループ"黒頭巾ちゃん"
   Point(2)