黒頭巾ちゃんと仮面舞踏会/チアーヌ
と、ボルゾイは品の良い笑顔で答えました。
「革命って、ずいぶん昔のお話ではなくて?」
黒頭巾ちゃんが不思議に思って訊ねると、ボルゾイは寂しそうに笑い、
「僕にとってはまるで昨日のことのようなのですが」
と、答えました。
そうしてそのうちに、黒頭巾ちゃんは、腰に回されたボルゾイの腕で、ダンスホールの片隅へと運ばれてしまいました。
「黒頭巾さん。あなたはとても美しい人だ」
ボルゾイが、そう言いながら、黒頭巾ちゃんを抱きしめ、キスをしてきました。
普段の黒頭巾ちゃんなら、ボルゾイの甘い言葉なんかに騙されなかったかもしれません。
けれど、今夜は仮面舞踏会なのです。
甘
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