黒頭巾ちゃんと仮面舞踏会/チアーヌ
スラブ系の紳士が黒頭巾ちゃんの前に現れました。
なぜスラブ系かと思ったかというと、その紳士がボルゾイだったからです。
ロシア貴族の犬と伝えられたボルゾイは、とても大きく優雅で、まるで子馬のようです。
「ええ、いいわ」
黒頭巾ちゃんはうなずき、ボルゾイと共に踊り出しました。
ボルゾイはエスコートがとても上手で、黒頭巾ちゃんは自分の意思で体を動かさなくても、ひょいひょいと踊らされてしまいます。
「ダンス、お上手ですのね」
黒頭巾ちゃんがボルゾイを見上げてそう言うと、
「ええ。でも革命のあとは、あまり踊る機会もなかったものでね。今日は思う存分ダンスができて、うれしいですよ」
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