平面も積もれば大和撫子で月に乳首をつけに行く旅/木屋 亞万
 
りのかわききった海苔食む

口ほどにものを言う目の閉ざされて白い布きれ線香の赤

中身だけまんま自分を捨て去って他の誰かが宿れば良いさ

魂をまくらに吸われて地中へと浸透していく水に似ている

ありのまま働きアリのままママの言いなりになるあなたが好きよ

夢のあと街がシャワーを浴びている水飛沫の音だけの夜

終電は酒気帯びの客を乗せ終点まで各駅に止まります

「人類が滅亡する」はこれでもう何度目でしょう 死は望まれる

雷鳴が響く白闇白いシャツ濡れて透明はりつく背中

大量のバッタのように群れを成し飛び降りてくる大粒の雨

鉄板の雲から雨が熱々でジュ〜と叫ぶ蝉の断末魔

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