妹/beebee
 



 冬の大通りを、兄と妹が二人で歩いていた。
 兄は妹が重たそうに持っているカバンに手を貸してやりながら、遅れがちな妹に合わせて歩調をゆるめていた。妹もまた、兄に遅れないように精一杯急いで歩いている。二人は仲睦まじく歩いていた。
 その時横の路地から兄の友達が一人出てきて二人に交じった。すると兄は急に知らん顔で妹のカバンから手を離すと、幾分体を伸ばすようにして、友達に合わせて歩き出した。妹はとまどいながらとりつくしまのない兄の右に行ったり、左に出たりしている。全く彼女は目の大きな愛くるしい女性だった。
 しかし、友達もそんな妹にまったく気が付かないように 、視線を高くして、妹の兄に熱心に話し掛けた。二人の男の子達は顔を紅く上気させながら、彼ら二人の話題に没頭していた。
 しかし、女たちよ。誤解してはいけない。この二人の男の子等はまったく女性の存在というものに気持ちを奪われてしまっていたのだから。
  グループ"散文詩"
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