12月の夕空に / 検見川浜、夕景賛歌/beebee
いで街並みを横断し、
その上をさらに高架線が走っている。
やや真ん中が膨らんだ放物線のそれが幾つも空を区切って走り、
葉を落とした街路樹が影絵のような枝を拡げている。
目を降ろすと交差点を行く自動車がライトを点け始め、
薄く浮かび上がった道路の先に何台ものライトが走って行く。
まだ午後五時にもなっていないと、
腕時計で時間を確認して驚いてしまう。
マンション群を背景にして
区切られた空が茜色に染まり始めた。
空は影絵の舞台のようだ。
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