七月の雨の光/beebee
 


ぼくは所在なく佇む
夜が好きだ
そんなとき
梅雨の終わりの
雨が降っているのもいい

屋根を打つ雨の音
軒を伝う流れの音
樋を落ちる水の音
そればかりじゃない
夜にはまだ何かがある

凝視めるぼくと
見返す鏡の中のぼく
反射する蛍光灯の白い光
窓に部屋の壁が白く映っている
それを貫いて白く
電信柱が腕を伸ばす

七月の夜は不思議に透明で
羽虫の羽音が夢を打つ
コバルト色の色硝子に
白いスプレーペイント
刷毛降ろした銀の糸が
夏の雨か

   グループ"純情詩集"
   Point(16)