岬にて、星を見る/たりぽん(大理 奔)
 
波や風は待つものなのよ、と
長い髪を旋律で
砂浜の反射が切り抜いて
細めた視線の届く先に
僕の胸は高鳴る
星座盤の小さな窓から見たように
君のことを知ったかぶりしていた
そんな気がすると
言葉を繰り返しても
それがかたちあるものを
生み出すわけではないのに
ひどく寂しいと言えば
南風だって
冷たいままだ

おや、
何かがかわったね
言葉を繰り返しても
そこに真実はないけれど
ほんとうを伝えたいから
そうするのだね、ひとは

繰り返すものを待つのか
ゆられながら漂ようものを待つのか
波や風というあいまいなことばで
胸の反射を切り抜いて
つぼめた唇の届く先に
星座版を回す手が
、高鳴る



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