二十歳に書いた歌詞 /板谷みきょう
 
き 泣かれ

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 『お袋俺を捨てたんだって』
ある朝目覚めたら部屋には誰も居ない
机の上の置き手紙 「さよなら」 とお袋の字
何が何だか解らないまま俺は親戚中たらい回し

親爺とお袋愛し合って一緒になったと
死んじまった婆ァガキの俺にいつも言い訳
呑んべの親爺に愛想つかして家からお袋飛び出したんだと

悲しみは時が忘れさせてくれるけど
お袋が居ないという事実はついて回り
まるで俺の責任の様にガキの頃から馬鹿にされて

いつかは誰かと愛し合って一緒になる
暫くすれば子供もでき物心ついた我が子に
「親爺の母さんどうして居ない」そんな風に聞かれ
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