不寝番?みずの瞑り デッサン/前田ふむふむ
、そんな、幽霊たちの歴史において、行われつづけた欺瞞は、幽霊たちの石棺をあけて、腐乱した屍を、死の祭壇にさらしたのである。処女のような一本の塔を崇拝した者たちにしてみれば、石棺の上で、乱立した塔を見て、悲しむのだろうか。羨むのだろうか。新しい山々の木霊を、新しい海原のざわめきを、新しい街頭の先駆けが、かもしだす息吹を、ひたすら煌びやかな模様細工で飾り立てた、栄光の午後に、彼らの遺伝子を継承する子供を乗せる、白紙の百科事典でできた、あたらしい遊園地の観覧車は、熱病に冒されている子供である、あたらしい蜘蛛たちを乗せて、ガーシュインを聴きながら、今や、悠然と、幾何学模様の円を描く。
分娩と堕胎を繰り返
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