ヒューム「ベルグソンの芸術論」(2)/藤原 実
にかけての芸術の大きな特徴となります。
二十世紀芸術のさまざまな技法もこの純粋感覚に達するための試行錯誤から生まれています。
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「フローベルが、美しい小説はとくにこれという主題のない小説、ちょうど支えるものもなく中天にかかっている地球のように、その文体の力だけで成立しているような作品だ、と言っていたのは、あきらかに抽象概念を避け、論理の骨組みをしりぞけて、イメージ群だけで構成するような表現を意味していたはずである。主題や題材を否定することは、言語表現では、体系的な論理構造を否定することにほかならない。いわば絵画における輪郭線の否定、文章における文法の否定、建造物における支柱の否定
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