アレン・ギンズバークとクリスマス、そして僕のこと/芳賀梨花子
 
りする
今日は緑に雪の結晶のプリントのエプロン
赤でサンタクロースでラブリーじゃなくってよかったと
昼休みに彼女を見かけたときに思った
彼女にとってエプロンは大事なものだと僕は思う
僕は毎日、花屋とギフトショップのある右側を通って帰る
でも、今日はちょっとしたクリスマスプレゼントを買う必要もないので
新聞スタンドとトラベルビューローがある左側からビルの外にでた
ビルの右側から出てきた顔見知りの男は
僕に気付かない
彼は大きなキティちゃんのぬいぐるみと
小さな花束をかかえて足早に新橋駅の方へ
波止場のキティちゃんは子猫なんかじゃないのにな
男の後姿に吐き捨てそうになったけど
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