アレン・ギンズバークとクリスマス、そして僕のこと/芳賀梨花子
 
けど
そんなことは誰でも知っていることだろうと思って
僕は恥ずかしくなった
本日、僕の思考回路がめちゃくちゃなのは
決してクリスマスを一緒に祝う人がいないからではなく
僕たちの世界が誰もが知っていることを
知らんぷりするからなんだ
だから僕がその言葉について考えるとき
歯医者と一緒にプラネタリウムに居るような
居心地の悪さを感んじてしまう
はーい口を開けてくださいって言われても
そう簡単にはいいなりにならない
僕はそういう人間なんだ
年内には親知らずを抜かなくてはいけない僕だけど
そういう人間なんだ

ビルの外はクリスマスのイルミネーションが
現実に起こっているこ
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